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【感想】『仮面ライダービルド 最終話』: 二人っきりの世界で語る物語 (ビルドの実験経過)

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『ビルドの実験経過』と題して、毎週仮面ライダービルドの感想や考察を書いているシリーズ。

今回は2018年8月26日放送、仮面ライダービルド 最終話『ビルドが創る明日』について話したいと思います。

お付き合いお願いします。

 

 

戦兎の自己犠牲

戦兎は、龍我を助けるために、白いパンドラパネルの力で形成された光の裂け目に入って行く。

戦兎「あいつを連れ戻す。」

巧「君がいく必要はない。万丈の言う通り… エボルトの遺伝子を持つ彼が一緒に滅びるべきだ。あの光の切れ目にエボルトのエネルギーが吸収されれば、二つの地球は融合して、新世界は完成する。」

戦兎「犠牲になるのは俺だけで十分だ。」

巧「わからない男だな、君も。愚かだよ。でも… 世界を救えるのは… そういう人間なんだろうな。

 

「愛と平和を胸に生きていける世界」を創るためであれば、巧が言った通り、エボルトの遺伝子を持つ龍我を犠牲にしてしまうことの方が合理的だ。 

しかし、戦兎には同時に「敵も味方も誰も死なせない」というポリシーがあるため、龍我に犠牲を払わせるわけにはいかない。

だからこそ、龍我の代わりに自分が自己犠牲を払って世界を救うことは、戦兎にとっては理性的判断となっている

 

とはいえ、やはりエボルトの遺伝子を持つ龍我を生かしておくことのリスクもしっかりと考慮してほしかった気もするが。 

 

そして、巧はこのシーンで、戦兎の自己犠牲を最終的に肯定してしまった。

「誰かを守りたい」という「正の感情」が戦兎にあるからこそ、それに応えるための「理性」的判断として、「自己犠牲を払う」という考えに辿り着いた。

一方で、戦争が勃発してから、葛城巧は「科学」しか信用することができず、割と「理性」的判断のみで行動を起こしていた。

だからこそ、巧は世界を救うために龍我を犠牲にすることができた。

そのような巧が、戦兎の姿を見て、「正の感情」と「理性」の両方がヒーローにとっては不可欠であることを認めた、とも言えるだろう。

 

 

ただ、48話で、自己犠牲を払った幻徳を呆然とただ傍で見守っていた戦兎が、「犠牲になるのは俺だけで十分だ」と言っていることには違和感を覚える。

戦兎たちが48話で何もできなかったのは、演出の都合上仕方がないことだったのかもしれないが、幻徳が自己犠牲を払おうとした時には助けず、龍我の時にだけ助けたことは戦兎のダブルスタンダードに見えてしまった

 

龍我の笑顔

龍我がエボルトを連れて光の裂け目に入っていった際に、どうやらエボルトは龍我を吸収してしまったようだ。

 

しかし、龍我はエボルトの中から戦兎に語り掛ける。

龍我「なぁ、戦兎。今どんな顔してるか分かるか?クシャっとしてんだよ。俺の顔。

 

戦兎が序盤で龍我に教えた初めての「ヒーローのあるべき姿」が、ここで活きてくるのは最高にアツい。

その言葉がきっかけで、龍我が仮面ライダーとして戦い、最終的には自己犠牲を払えるまで成長したのだと考えると、なかなか感慨深い。

 

みんなが創ったビルド

エボルトは、(いつも通り) 戦兎が「偽りのヒーロー」であることを煽る。

エボルト「いい加減気づいたらどうだ。桐生戦兎は、地球にとって存在すべき人間ではなかったということに!?」

戦兎「黙れ!」

エボルト「お前がすべての元凶なんだよ。お前がライダーシステムを作らなければ、仮面ライダーにならなければ、こんな悲劇は生まれなかったんだ!お前は… 俺に創られた偽りのヒーローだったんだよ!

 

しかし、戦兎は、nascitaの仲間がいたからこそ「仮面ライダービルド」が創られたと言い放つ。

戦兎「エボルト。たしかにお前が俺を仮面ライダーにしたのかもしれない。でも、俺がこの力を正しいことに使ってこれたのは… かけがえのない仲間がいたからだ!みんなが… 桐生戦兎を… 仮面ライダービルドを創ってくれたんだ!愛と平和を胸に生きていける世界を創る!そのために… この力を使う!

 

 

戦兎がエボルトによって「創られたヒーロー」であることは第1章から何度も触れられてきたため、エボルトの煽りはかなりくどいように感じた。

しかし、戦兎のそれに対する返答は、『仮面ライダービルド』というシリーズを通して桐生戦兎が得た気づきを綺麗にまとめている。

 

どのように力を得たかではなく、その力をどのように使うかが大切であること

そして、仲間がいたからこそ、その力を「正義のため」に使ってこれたこと

 

戦兎は、 「個」(nascitaの仲間) の「愛と平和」のために戦いたいと思えたからこそ、その「個」が内包される「全体」(世界中の人々) が「愛と平和を胸に生きていける世界」を創ろうと思えた

要するに、戦兎の中では、「個」が「全体」を代表していたのだろう。

だからこそ、一般市民とほとんどの接点がなくても、彼らを守りたいと思えた。

戦兎なりの考えが今回判明したことで、私の中で点と点が繋がり、これまで私が抱いていた「戦兎と『全体』の繋がりのなさ」に対する違和感が自然と解消されてしまった

 

この言葉を戦兎の口から聞くことができて、『仮面ライダービルド』を一年間観てきてよかったと心の底から思えた。

 

ラビット!ドラゴン!ベストマッチ!

エボルトの身体から排出されたシルバードラゴンフルボトルと、ゴールドラビットフルボトルを使用し、ビルドはラビットドラゴンフォームに変身。

戦兎「俺と万丈は… 最高の… コンビなんだよ!

 

ここで「最後の切り札」であるかのように新フォームが登場したのはかなりアツい。

惜しくも、ラビットドラゴンはCG限定で、スーツは作られなかったようだ。

CGの違和感はかなりあったので、やはり折角なのでスーツで見たかった気はする。

 

設定上「ラビット」と「ドラゴン」はトライアルフォームではあるし、玩具版ビルドドライバーでもラビットフルボトルとドラゴンフルボトルを刺すとトライアル音声が流れる。

しかし、戦兎は気合いでトライアルを「ベストマッチ」に変えた、という解釈もできる演出になっている。

そう考えると、戦兎と龍我がベストマッチなコンビであることが強調されて素敵だ。

 

ベルナージュの消滅

エボルトの消滅を感じたベルナージュは、美空の身体から出て行って消える。

ベルナージュ「エボルトが消滅した。これで… 役目が終わった。」

 

正直、ベルナージュがこれまで物語の都合でかなり振り回されていたと感じたので、ベルナージュについてはもう少し掘り下げてほしかった。

ベルナージュがいなかったら、ビルド陣営がヤバいことになっていただろうシチュエーションが幾度もあったのだから。

ベルナージュの扱いが最後まで雑で、少し残念だ。

 

新世界の誕生

スカイウォールがある世界は、スカイウォールがない世界と融合し、新世界が誕生。

その影響で、スカイウォールが存在しなければ実現したであろう現在へと人々が移され、新世界の人間は別の10年を送っていたことになってしまった。

これが葛城忍が考えていた「物理法則を超えた救済」で、ジーニアスボトルの力で成功した。

 

氷室泰山首相の秘書となった氷室幻徳。

中央政経ジャーナルの記者となった滝川紗羽。

難波機械製作所の従業員となった内海成彰。

三羽ガラスと仲良く過ごす猿渡一海。

何故か黒髪になり、香澄と平和にデートをする万丈龍我。

 

「もしスカイウォールがなければ」nascita勢がどのように生きていたかが見られたのは良かった。

 

個人的には、石動美空が本物の石動惣一と楽しそうに暮らしている姿にはほっこりした。

本物の石動惣一は美味しいコーヒーを淹れられることが判明したことで、コーヒーが不味かったのはエボルトのセンスのなさが原因だったことが確定したのも面白い。(笑)

 

 

しかし、戦兎にとっては割とビターな終わり方になっている。

戦兎が信じた「見返りを求めない正義」を貫いた結果、nascitaの仲間にすら覚えられていない世の中になってしまったのはかなり切ない。 

戦兎「今度は俺しか記憶がないのか…

 

戦兎と龍我

戦兎は、新世界ができる前の世界のことを覚えている茶髪の龍我と出会う。

エボルトの遺伝子を持つ龍我は、戦兎と同じく、新世界にいてはならない人間だったようだ。 

 

 

龍我と再会できたときの戦兎の笑顔が最高に素敵だ。

やはり、二人がベストマッチな関係性にあることが改めてよく分かるし、戦兎にとって龍我がいることはかなりの救いになっただろう。

 

また、バイクで颯爽と走る二人や、ズボンのチャックに関する描写は、『1話 ベストマッチな奴ら』を彷彿とさせて、これもまた良い。 

このように、過去のネタを回収するのは、今作が拘ってきた部分だと感じるし、最後までやってくれたのは好印象だ。

 

一方で、戦兎が言う通り、龍我はエボルトの遺伝子を持つのだから、いつエボルトの遺伝子が覚醒するか分からない。

恐らくその辺りはVシネマで語られるだろうが、龍我の運命が不安だ。

 

49のエピソード

戦兎と龍我は、二人の物語を49のエピソードにデータ化する。

ここで二人が録音した「コント」が、『仮面ライダービルド』のあらすじ紹介につながってくる。

 

あらすじ紹介まできっちりと回収してくるとは、かなり驚いた。

戦兎と龍我が二人で〆る、非常に明るくてビルドらしい終わり方だと感じたので、これはこれでありかと。

 

リセットエンドにした弊害として、人々が亡くなったことや、戦争そのものが「なかったこと」になってしまった。

だが、「戦兎と龍我が語って伝えていく」というこの終わり方は、ビルドの物語を決してなかったことにはしない、という意志にも見えてきて、個人的には非常に好きだ。

 

 

仮面ライダービルド 変身ベルト DXビルドドライバー

仮面ライダービルド 変身ベルト DXビルドドライバー

 

 

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